疲れたとき最初に失う能力

人は疲れると、自分の体調の悪さに気づく能力を失います。

つまり、自己観察能力が低くなってしまうということです。

 


「そんなことはない!」と感じる方もいるかもしれない。

しかし実際そうなんですよ。

 


忙しい現代社会では、日々の忙しさやストレスに追われる中で、自分自身の体調や健康状態に注意を払うことが難しくなっています。


ここでいう自己観察能力とは、自分自身の身体的な変化や不調を感じ取り、適切な対処をする能力のことを指します。

 


しかし、疲労やストレスの積み重なる中で、この能力は鈍くなっていくんですね。

 


例えば、忙しい仕事や家庭の事情に追われていると、自分の体調や健康に対して目を向ける余裕がなくなります。

疲労感や体のだるさ、頭痛などのサインが現れても、それを無視してしまう。

日常生活の忙しさやプレッシャーによって、自己観察が後回しにされ、自分自身の体調の悪さに気づく能力が衰えてしまうわけです。

 


さらにストレスや疲労が蓄積されると、慢性化して睡眠不足などの不調を引き起こします。

 


多くの人は疲れてから疲労ケアをするわけですが、それでは遅い。

自己観察能力が落ちていると「まだ大丈夫、まだ大丈夫」とずるずる先延ばしにし心と身体が壊れるまで無理をし続けてしまう。

そうなってからでは遅い。

 


なので、たとえ疲れを感じていなくても定期的に疲労ケアをルーティンとして組み込むことが重要です。

 


おすすめとしては読書や運動ですね。

両方とも、ストレス解消効果としては十分なエビデンスが揃っています。

例えば、読書を6分するだけでもストレスが68%軽減した、という研究結果も出てます。

確かサセックス大学の研究だったかな。

たったそれだけでもストレスは大幅に減らせるならコスパとしては最高です。

時間への隷属 タイムマネジメントの罠

時間を支配しようする人は、己が時間に隷属していることに気づきません。

最近では、時間を有効に使う事であったり、いかに同じ時間で沢山のことをこなすかがトレンドになっています。

言い換えれば、タイムマネジメントライフハックと呼ばれるものですね。


ところが前記事でも書いたように、人間は1度にたくさんのことをこなせるようにはできていません。

脳のリソースは限られている。
つまりこの場合、人が向けられる注意には限りがある。

この限られたリソースを越える量のタスクをこなそうした結果、頭がパンクするといった事態が起こります。

その結果、人は「忙しさ」や「焦り」を感じるわけです。

現実にはそこまで忙しくなかったとしても、1度に複数のことを処理しようとするため脳が忙しいと誤認したりする。

これは脳科学的にも多くのデータが出てます。


つまり、僕たちは時間を支配しようとして、逆に支配されているわけです。


この支配から逃れるためには、一度手を止めて何が大事かを見極めるしかない。

今やっている沢山の事の中から、やらなくても状況が大して変わらないものがあるはず。

人の脳はやる事を増やすのは得意ですが、やる事を減らすのはそこまで得意ではない。


だからこそ、心の荷物を減らして身軽になる必要がある。


時間と上手く付き合うには、それしかないと思っています。

 

 

不便が人を幸福にする

結論から先に言います。

不便こそが人を幸福にする。

そして幸福とは今この瞬間に意識を集中させることです。


現代人の集中力は金魚並に低下している、という話は聞いたことがあると思います。

聞いたことない人も、直感的にそう感じる機会は多いのではないでしょうか?

これにはさまざまな要因はあると考えられますが、
1つ大きなものとしては、

この世の中があらゆる面で豊かになりすぎた

ということだと思っています。

ここでいう豊かさの代表例が、生活の効率化です。


例えば僕らはご飯を食べる時、わざわざお店に行ってテイクアウトしなくてもウーバーで注文すれば家から出るまでもなく届きますし、置き配にすれば配達員とコミュニケーションをとらなくて済みます。

読みたい本があったとして、わざわざ本屋に行かなくてもAmazonでポチれば翌日には届きます。

昔の人は洗濯板でゴシゴシ手動で洗っていたのが、今では洗濯機が自動で洗ってくれる。


つまり、人間のあらゆる活動が効率主義になっていっている。

これが時短効果を生み、それによって浮いた時間で他のことができるようになる。

今回のテーマは、
この効率主義からもたらされる豊かな生活が、時に僕たちを不幸にするのではないかいうことです。


もちろん、効率的に物事を進めることや生活が豊かになることそのものを絶対悪だと言いたいわけではありません。

基本的には良いことですが、ダークサイドもあるということです。

というのも、人間は豊かになればなるほど集中力が削られがちだからです。


何が言いたいかというと、
生活を効率化することであらゆる活動が時短になったことで、かえってやる事が無駄に増えてしまっているということ。

人間は効率化によって同じ時間内で様々な事ができるようになってしまった。


しかし人間の脳は1度にたくさんの事をこなせるようにはできていないので、キャパシティを越えてしまう。

そんな状態では何かに集中することなどできません。


そうすると、自分にとって本当に大事なものまで見えなくなってしまう。

大事なことに時間を使えていない人生に果たして意味があるでしょうか?

 

時には効率や利便性を捨てて、敢えて手間のかかることをしてみると違った景色を見られるかもしれない。

別に洗濯機があるのにわざわざ洗濯板で服を洗えと言っているわけではないです。(ある意味それも良いかもしれないけれど)

スマホを置いて散歩に出かけてみるとか、
ウーバーを使わず手の込んだ料理を作ってみるとか、

そういった不便さは手間のかかる分、ある程度の辛抱強さが必要です。
正直、面倒臭い。
退屈ですよ。

しかし、これこそが集中力の源泉です。


1つのことに長く時間をかけるということは、それだけの集中力が求められるということです。


そして人間が最も幸福だと感じる瞬間というのは、何かに集中しているときです。

本質的に、僕たちは今この瞬間にしか生きられない。


今この瞬間は、集中をすることによってのみ本物の体験になる。

今ここに生きているという意識がなければ、それは死んでいるのと同じだと思っています。


今こそ効率化で忙殺された自分から脱却し、今この瞬間に目を向けるときです。


本当の自分を取り戻そう。