一般的に、悪夢は良くないものとされています。
映画やドラマでも、悪夢は不吉の象徴として語られることがほとんどですね。
しかし今回は、敢えてその逆を提示してみたいと思います。
つまり、悪夢は悪いものではなくむしろ良いものであるということです。
というのも、悪夢にはトラウマなどの心の傷を癒してくれたり、自分の心の中で起きている不具合を教えてくれる役割があるからです。(海外でもトラウマ治療などのアプローチとして夢セラピーに関する研究が進んでいるようです)
まず、そもそも人はなぜ夢を見るのか?という根源的なメカニズムについての簡単な説明をしておきましょう。
人が夢を見ているとき、脳の中では様々なことが起こります。
そのうちの1つがストレスの発散です。
つまり、夢を見ることによって1日に受けたメンタルのダメージや疲労を回復させているということです。
この前提を踏まえた上で、悪夢を見ることの効能について説明していこうと思います。
そもそも悪夢を見るのはどんなときでしょうか?
夢には様々な要素が影響するので一概にこれ!とは言えないものの、おそらく精神的に疲弊していたり心に傷を負ったときなどがほとんどでしょう。
夢というのは、その人の感情や記憶、潜在意識を含む様々なイメージがごちゃ混ぜになって映像として現れるものです。
しかし、人間は精神的に疲弊すると鈍感になり、体調の変化や悪化に気づけなくなることがあります。
要は自己認識が甘くなるんです。
そうなると無理に無理を重ね、本当に動けなくなるまで気づけなくなってしまう。
そういう心の状態に気づかせてくれるのが悪夢です。
悪夢は疲弊した精神に警鐘を鳴らすだけでなく、マイナス感情の象徴を夢に投影することで不安やストレスを発散するという高度な役割を担っています。
実際、夢を見ているレム睡眠時に脳内の不安を誘発するホルモンが一掃されることが脳科学の研究でもわかっています。
このことを知っているだけでも、悪夢は不吉の象徴などではなくむしろ自身の破滅にブレーキをかけるセーフティネットのようなものだと理解できると思います。
風邪をひいたときに熱が出るように、「自分のメンタルが不調を訴えているから少し休もう」と前向きに捉えることが可能になる。
ちなみに僕は個人的に悪夢を見るのが好きなので、ときどきゾンビの呻き声を枕元で流しっぱなしにしながら寝ることもあります。もしくは寝る前にホラー映画に没頭することで脳の統率を試みたりもします。
必ず見れる保証はありませんが、僕自身が何度か実証しているように、確率を高めることはできるようです。
もし興味があればやってみてください。
ただし睡眠の質が下がったりするデメリットがあるので、もし実行するのであれば休みの前日辺りが無難です。